横浜自然観察の森で、ハンミョウの会のガイドウォーク「季節の森を歩こう」が開催された。
3月最初の日は、雨から始まった。しとしと雨が森を包み込んで、幻想的な景色を見せてくれた。
しかし、下見の途中から少しずつ雨足が強くなってきた。先月は氷に覆われていたヘイケの湿地だが、今日はいつも通りの姿である。だいぶ春が近づいているのだろう。
本降りとなった森では、ガイド開始時間直前になっても一般の来園者をほとんど見かけない。残念ながら午前の部は参加者ゼロで不成立となった。自然の力には抗えないのだ。
その後も雨は強くなるばかりで、午後の部も中止かと思われたその時である。6名の来園者が、滑り込みで参加してくれた。足元の悪いなか、本当にありがたいことである。
無事にスタートしたガイドウォーク前半は、屋根のある自然観察センター前でハラビロカマキリの卵鞘とジョロウグモの卵嚢の観察。
後半はフィールドに出て、ヤマアカガエルのオタマジャクシなどを観察した。
どの生き物達も、暖かい春を今か今かと待ち望んでいる様子であった。
そろそろタイムアップも近づき、センターへと向かい始めたところで、思いがけない生き物と遭遇した。森に常駐している野鳥の会のレンジャーさんでさえ滅多に見ることがないという、ノウサギが現れたのだ。
糞を見たことはあったが、糞の主に出会ったのは初めてである。
雨の影響で人が少なかったからだろうか、警戒心が弱くなっていたのかもしれない。貴重な体験ができて、参加者にも満足いただけたようだ。
しかし、雨の観察会はなかなか難しいものがある。今日は森の生き物たちに随分と助けてもらった。
さて、今後の為に、雨でも鉄板なプログラムでも練ってみることにしよう。