先日の台風15号の影響で、横浜自然観察の森でも多くの倒木があったようだ。園内コースは一部通行止めの区間もあるので、来園の際は注意されたい。
さて、森の案内人・ハンミョウの会としては、モンキチョウの広場のミズキが倒れたショックが大きい。
このミズキの横へ横へとのびた枝は、その重みで大人の顔ほどの高さにあり、とても観察がしやすかったのだ。
春には、森を彩る白い花が昆虫たちを誘き寄せ、その昆虫たちに人間が誘き寄せられる。
夏には、ハートカメムシの恋路と育児を見守り、母の愛情の深さを感じる。
秋には、熟した果実に集まる鳥たちから、植物の生存戦略を考える。
冬には、赤い壁に隠された秘密の花園を覗き、生き物たちの逞しい生命力に驚かされる。
いつだってこのミズキの下に集まれば、何か面白いものが見られる。そんな頼もしい相棒のような存在だったのだ。
このミズキの代役を務められる存在は、残念ながら思いつかない。
完全なるミズキロスである。
ガイド中に思い出して涙をこぼしてしまわないように、しばらくはモンキチョウの広場を駆け抜けることにしよう。
ありがとう、ミズキ。そして、さようなら。
2015年5月3日に撮影した、モンキチョウの広場の満開のミズキ。
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横浜自然観察の森の通行止め箇所は公式サイトでご確認ください。